株式会社レクター 代表取締役 広木大地
インフラ設計図のような青写真──機能やデータがどこに配置され、どう結び付くかを俯瞰で示す全体像。
システムの骨格とルール──技術スタックやモジュール分割、データフローなど「こう作るべき」を規定する枠組み。
将来への建築基準──性能・安全性・保守性を支え、変更や拡張の自由度を左右する長期的な基盤。
建築から哲学、テクノロジーまで幅広い分野で使われ、人間の行動様式や社会関係を規定する重要な要素となっている。
建築物が人の動きを決めるように、社会制度やテクノロジーのアーキテクチャも私たちの行動や権力関係に影響を与えている。
アーキテクチャは、人々の行動を規制する4つの力(法、社会規範、市場、アーキテクチャ)の1つとして定義される
「ある選択肢を選びやすく/選びにくくする」 という性質を環境に与えることで、人々の行動を自発的に促す仕組み
デジタル空間では、ソフトウェアやハードウェアの技術的構造(コード)が人間の行動を制御する力として機能する
鉄パイプ付きベンチ
ソフトウェアでも同様に行動を誘導する構造がある
構造が振る舞いを規定する と体感できる
目に見えない “力” を発生させる環境設定
社会にもベンチにも Web サービスにも存在
この構造の力を利用して、 メリットが得られるようにする活動がアーキテクティング
選択肢を持つ側が強者となり、選択肢を持たない側は従属する関係性が生まれる。この依存関係が理不尽さや技術的負債を生み出す原因となる。
そのため、交換可能性の設計は本質的に権力の再配分を意味するのです。
古いシステム=技術的負債ではない。
技術的意思決定の副作用(時間とともに実装とドメイン/ビジネス知識の差分が生じた状態)は常に発生しうる。
問題は、間違った意思決定を修正できないこと。
起こりうる変化=不確実性に対して、組織がソフトウェアを「交換」できることが大事
不確実性を先読みすることは難しい。
何かをアーキテクティングするのであれば、同時に何をしないのかを決める必要がある。
技術的意思決定の副作用(時間とともに実装とドメイン/ビジネス知識の差分が生じた状態)が避けられないのなら、抽象構造を先に発見するか、後から発見するか。
システムを変化速度に応じて、 遅い「SoR (System of Record:記録のシステム)」と 速い「SoE (System of Engagement:エンゲージメントのシステム)」 の2層に分けて捉える
この変化速度の異なる2層を分離して設計・開発することで、基盤(SoR)の安定性を損なうことなく、顧客接点(SoE)での迅速な改善やイノベーションを可能にし、安定性と俊敏性の両立。
ソフトウェア要求が多層的な外部制約の中で定義される考え方。
中心に至るまで ソフトウェアを 社会・環境、顧客、企業、業務・ユーザ、ITシステム の層がある。
各層からの制約(法律、顧客要望、企業戦略、業務プロセス、IT基盤など)が段階的に具体化され、要求を形作る。
目的と手段の階層構造がある。目的のために手段は常に変化しうる。
=> 目的と手段が階層構造がビジネスアーキテクチャ
技術選定/アーキテクチャ設計に時間をかけるべきか
先々のことを言語化するのは、苦手なことが多い。うまくヒアリングしたり、自らも理解していく必要がある。
目的: アーキテクチャの意思決定を「何を」と「なぜ」から記録する軽量文書。
価値: 知識の属人化防止、意思決定の透明性確保、組織の記憶として機能。
負債管理: 過去の決定理由を参照可能にし、将来の変更判断と技術的負債管理を支援。
実践: リポジトリ内でマークダウン形式の簡潔な文書として管理し、日付・番号で整理。
重力圏"を持つエコシステムが勝つ
ロードマップなきリリースは、渡し船なき川渡り
資金は炎、コミュニティは酸素
求人票が消えた技術は、緩慢な EOL 宣言に等しい